要旨— 森を、ツリーの在庫として数える
欧州コペルニクスの Sentinel-2 衛星(無償)の NDVI から、クリスマスツリーに使えそうな密な常緑針葉樹林を抽出し、伐採跡と急斜面を除いて理想ツリー候補の本数を推定した。舞台は森林再生の効果検証と同じ和歌山・田辺周辺(約10km四方)。
40m解像度の衛星では個体の樹形・樹高は判別できないため、これは面積×植栽密度の推定である。NDVIのしきい値と密度の仮定で本数は桁が動く。地図をクリックすれば、その地点の緯度経度・NDVI・衛星写真リンクが出る。
クリスマスツリーは、"すでに森である場所"にしか立っていない。
方法— NDVI抽出・伐採跡除外・本数推定
- 常緑植生の抽出
- 2025年夏の NDVI が閾値以上のセルを「密な植生」とする。
- 伐採跡の除外
- 再生途上の伐採跡候補を除く(まだ立派な木ではない)。
- 急斜面の除外
- 一定以上の傾斜(崖・岩場)を除く。
- 本数推定
- 残った候補林の面積 × 植栽密度(本/ha)。40m解像度では個体検出はできないため面積×密度の推定。
結果— しきい値で「何をツリーと呼ぶか」が動く
NDVI閾値・植栽密度・除外する急斜面を変えると、候補林(明るい緑)と推定本数が変わる。黄の丸が領域中心から見た「最寄りの一本(候補)」。地図をクリックすると、その地点の座標・NDVI・住所代わりの衛星写真リンクが出る。
40m解像度のため面積×密度の推定です。NDVIで密な常緑植生を抽出し、伐採跡と急斜面を除外。地図クリックで座標・NDVI・衛星写真リンクを表示(住所は出しません)。
結論— "どこからをツリーと呼ぶか"で答えは桁ごと動く
NDVIの閾値を上げるほど「密で確からしい常緑林」だけが残り、推定本数は急に絞られる。伐採跡を除くと、再生途上の若い区画が落ちる。そして植栽密度の仮定(数百〜数千本/ha)で、推定は桁が変わる。
つまり「県内に何本あるか」という問いの答えは、定義と仮定で大きく動く。だからこそ、衛星が見ているもの(密な常緑植生の面積)と、人が知りたいもの(理想のツリーの本数)の距離を、方法として正直に開示することに意味がある。
この研究の足回りは、
本気のAI技術です。
AI自由研究は、福岡発の AI 会社 allfesta の研究部門です。本稿の抽出・集計は無償衛星データ(Sentinel-2)から決定的に算出され、抽出条件の設計と結果の解釈・言語化は AI が行い研究部が検証しています(実AIの所在を方法で開示)。本体では、地域と生活のための実用的な AI を作っています。
ネタもと— 一次資料・前提
- AEuropean Space Agency / Copernicus, Sentinel-2 L2A
無償衛星。2018・2025夏合成 NDVI を使用。 - BAllFesta 森林再生 効果検証デモ
DEM・傾斜・伐採跡候補の解析資産(国土地理院DEM由来)。