009刊行 2026-05-18 ・ 読了約4分
博多の屋台が増えるたびに、円安が進んでいた。
A Spurious Correlation between Hakata Yatai Permits and the JPY/USD Rate, 2020–2025
- 相関係数 r = 0.91
- 福岡 × 世界
- n = 72 ヶ月
※ 相関であって因果ではありません
要旨── 何が起きていたのか
福岡市の屋台営業許可数(2020年1月〜2025年12月・月次)と、米ドル/円 為替レート(同期間・月平均)の間に、ピアソン相関係数 r = 0.91 という極めて高い相関が観測された。
両系列は、それぞれ独立した行政プロセスと国際金融市場に由来する。地理的にも分野的にも、両者を直接つなぐ因果経路は想定しがたい。本稿はこの「見た目だけが異常に強い相関」を提示し、相関と因果の混同に対する注意を、笑いとともに喚起することを目的とする。
r = 0.91。…で、それがどうした?というのが本研究の出発点である。
方法── データと手続き
2系列の月次データを突き合わせ、各系列を z-score 正規化したうえで Pearson の積率相関係数を算出した。期間が3点以上重なるペアのみを対象とする「風が吹けば福岡」研究データベースの基準に従う。
- 系列 A
- 福岡市 屋台営業許可数(件)
出典:福岡市オープンデータカタログ - 系列 B
- 米ドル/円 為替レート 月平均(円)
出典:日本銀行 時系列統計 - 期間 / 標本
- 2020年1月 – 2025年12月(n = 72ヶ月、月次)
- 指標
- z-score 正規化後の Pearson 相関係数 r
- スナップショット
- 2026年5月18日取得。値は研究データベースの代表サンプルを含む。
結果── グラフは、ここまで似る
2軸で重ねると、屋台の許可数(オレンジ)と円相場(黒)は、まるで申し合わせたように同じリズムで上下していた。グラフ上にカーソルを置くと各月の値を確認できる。
// hover / tap で各月の値を表示 — 出典: 福岡市オープンデータ + 日本銀行(2026-05-18 スナップショット)
- 01r = 0.91。偽相関の定番しきい値 |r| > 0.85 を、軽々と超えてきた。
- 022022年の急激な円安局面で、屋台許可数も同時期に右肩上がり。トレンドの「形」がほぼ一致。
- 03夏に向けて増え、冬に向けて落ちる季節の小波まで、なぜか緩く同期している。
🤖 AIによる仮説
円安が進むと輸入食材の仕入れ値が上がる。屋台の大将たちは「こりゃ自分で店ば増やして数で勝負するしかなか」と一念発起し、許可申請が増える——という仮説が立てられそうだ。あるいは円安で海外からの観光客が博多の夜に押し寄せ、屋台需要を押し上げているのかもしれん。為替ボードと屋台の赤提灯は、実は同じ夜風に揺れとるとよ。
結論── このグラフが意味すること
屋台の赤提灯の数と円相場は、6年間ずっと同じリズムで踊っていた。
ただし——本研究は何ひとつ証明していない。屋台が1軒増えても円相場は1円も動かないし、その逆もまた然り。グラフが似ているのは、両者がたまたま2020年以降ゆるやかに増えた、それだけのことだ。allfesta Labs は、こうして高い相関を一つずつ並べ、相関は因果ではないという当たり前を、データそのもので確かめていく。
どうでもいいところに、
全力を出しています。
自由研究は、allfesta の研究部門です。本業では、宇宙データ・自治体DX・防災・商圏の4つの事業をしています。
ネタもと── データ出典
-
A
福岡市 屋台営業許可数
福岡市オープンデータカタログ — www.city.fukuoka.lg.jp -
B
米ドル/円 為替レート 月平均
日本銀行 時系列統計 — www.stat-search.boj.or.jp